第13話
2025年3月5日 07:00
朝遅刻しそうだったので 早歩きで駅に向かった。 交差点近くでふと 家に置いてきた釘の事が気になった。 いつも身につけた方が いいのではないかと突然思った。 遅刻を覚悟で 私は家に引き返そうと足を止めた。 その時 赤信号を無視したトラックが 交差点に進入してきた。 慌ててブレーキを踏んだのだろう。 路面にはくっきりとタイヤの跡がついていた。 もし私が真っ直ぐ進んでいたら 引き返そうと足を止めなかったら。 釘を取りに帰ろうと足を止めた。 間一髪立ち止まったおかげで トラックに轢かれずに済んだ。 「私はもしかしたら 釘に助けられたのかも知れない」 と思った。 道路わきの大きな木を見た。 いつも見ているはずなのに 初めて見るように感じた。 風にそよぐ葉の囁き。 その幹の紋様がなんだか2つの目に見えた。 その目は怒っても 笑ってもいなかった ただ緑色に光っていた。 女の子ページへ http://365diary.net/UG84RktFL2svcHVydXJ1bi1rb21hY2hpX2t5b2Jhc2hpLzU1MDY5Mjg2 |
店長コメント
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